独楽な磨き上げ

『じーざす! この汚れ、広がる!?(心の声)』

と、現場で冷や汗を流しながら、カメラのイメージセンサーを掃除したのはいつだったのか…。
イメージセンサーは超デリケートで下手に傷が入ると大損です。
…なにはともあれ、撮影したものに異常は無くなりました。
でも、若干汚れてるよなぁ。

そんな折、銀座のソニーさんでもイメージセンサーのクリーニングを行っていると知って早速予約しました。


当日、担当の技師の方に上記の話しもしてお渡しすると
「では18時30頃に来て頂けますか」
と言われて、2時間も掛かるものなん?とちょっと驚きました。

本当は興味本位かつ、勉強のために作業を見たかったのですが、そんな感じではなかったので、近くのカフェでコーヒーを飲みながら待っていると、ソニーさんから電話が。

イメージセンサーのクリーニングはまだ終わってないのですが、傷が見つかりまして…」
「え?」
とりあえず、途中なのでクリーニングを終えて状況を確認することに。


病気の診断を待つような気分で待って、約束の時間になったので再びソニーさんへ。

「…どうでしたか?」
「やっぱり縦に傷がありまして、…でも写りには出てないです」
「ほんとですか!」
いやー、良かったです。
で、実際に観てみますか?となりまして、是非是非と。
技師さんの使用していた筒状の拡大鏡をお借りして覗きます。
…覗きます。
…覗きます。
…覗き
「この角度だと見やすいです」
…覗きます。
…覗き
「小さな白い点が一個あるのは分かるんですけど…」
技師さんが覗いて
「あ、これは新しい埃ですね。その右隣にうっすらと縦のラインが」
…覗きます。
…覗きます。
「…駄目だ。右隣…全然分かりません」
技師さん、覗いて
「あ、今ちょっとゴミが動いて、あと小さなゴミもまたついちゃってますが、その間に」
…覗きます。
…覗きます。
「…すいません、やっぱり駄目です」
「まー、これを(拡大鏡)使いこなすのも多少時間かかりますからねー」


その後、新しく付いたゴミを取る作業を見させて貰いながら、これは時間かかるわと思いました。
もしもの時に参考になるかと思って、色々お話しを聞かせて頂くと、
洗浄液で汚れを浮かして、それを綿棒等で吸い取り、
最後は洗浄液の蒸発と合わせて綿棒等で吸い取り、液体の蒸発跡もない状態に磨き上げるとのこと。
感覚的にもそれが分かるということで、まさに職人技でした。


傷も影響ない程度でホッとしたこともあり、かつ良い技を見せて貰ったなぁと、ちょっとホクホクして帰路につきました。