立派な富士山

私の住んでいる三鷹にちょっとしたお気に入りの場所があります。
そこは多めの線路を跨ぐ陸橋で、周りは高い建物も少なく気持ちの良い景色が広がります。

ちなみにそこから撮った夕景ですね。うっすら下に電車も。

電車の通過を真上から見れるので、昼間なんかはフェンスにかじりついて見ている親子をよく見かけます。うーむ、微笑ましい。
ちなみに太宰治も渡っていたらしく、太宰治が陸橋の階段を降りている写真がふもとに掲示されてます(笑)

で、稀にですがその陸橋から富士山が見えます。
湿気があったりするともう霞んで見えないんですが、寒くからっとした日は人の足を止める姿を見せてくれます。
あと夕方に逆光で綺麗にシルエットだけの富士山も見えたりします。

その日は震災後の寒さがぶり返して、よく晴れた朝でした。
おー寒ぅと肩をすくめながら陸橋を歩いていると、真っ白の富士山が姿を現しました。
この寒さだけあって、頂上から随分下まで白い富士山です。

雲ひとつない薄い澄んだ水色の空と雪化粧のずっしりした富士山。

気持ちよい景色を堪能しながら足を進めていると、前方のフェンスにカラスがとまっています。
私とほぼ同じ目線の低いフェンスにとまって、じっーと一方向を見詰めています。
はてとカラスの視線をたどっていくと、そこには立派な富士山が。
私が近くなったせいもあって、カラスはすぐに飛んでってしまいました。
その姿を見ながら、あのカラスも同じ富士山を見ていたと思うと何だか微笑ましくなりました。
一人で緩んだ口元を見られるとただの危ない人なので口元をもどしながら、太宰も降りた階段を降りて駅へと向かいました。